フローやゾーンの体験(火事場の馬鹿力?)

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ゾーン(ZONE)ってなに?

少年漫画の「黒子のバスケ」で青峰や火神の必殺技にゾーン(ZONE)というものがあります。このゾーンに入ると、通常ではありえないキレのある動きをするようになります。黒子のバスケではゴールを量産するその姿は、ある種のヒーローを見ているかのような心が踊り出してしまう高揚感を人に与える力があります。

このゾーンとは、いわゆる超集中モードのことです。集中しすぎるあまりに周囲の動きがゆっくりに見える状態になり、一方で自分の思考は通常の速さで動くため、周囲のスピード以上の反応速度で自分自信が動くことができる状態になるというものです。

バスケでのゾーンの体験談

私もバスケットボールをしていた時、このモードに入ったことがあります。今日は調子がいいなって感じだっただけなのが、ある瞬間から周囲の動きがゆっくりに見えてきました。それからは、誰も取れないであろうパスを出すコースが瞬時に見えたり、フェイントをしながら相手を簡単に抜けたり、シュートにしても最後の指先のかかり具合まで意識できてボールが簡単に吸い込まれるような状態が続きました。

そして、バスケを始めて初めて完璧なダブルクラッチを決めたのもこのゾーン状態の時でした。普通のレイアップをした時に、身長が10cm以上高い相手がブロックしてきましたが、そこでシュートを放つのではなく、ボールを一旦引いてからだをよじりながら相手の後方まで行った後にシュートを繰り出す。そして、当たり前のようにボールはゴールに吸い込まれる。

このダブルクラッチは、手の動きと体の動きを同時に複雑に動かさないとできません。しかもジャンプしたままの状態なので普通のモードの時にできないことは後で実証しました。傍目にはほんの一瞬の出来事のはずなのですが、周囲の動きが遅く見える=自分が早く反応できる状態になるので、その分反応できる余裕ができ、体を思い通りに動かせることができるのでしょう。

ゾーンは体力消費がすごく、長く続かない???

黒子のバスケでは、ゾーン状態は長く続かないと言っていますが、体感的には、一度ゾーンに入るとなかなか解けなかったように思います。これは人それぞれなんでしょうね。その試合中はずっとゾーンでいられることがほとんどでした。もともと体力には自信があった方ですが。

また、体力消費も大きいと言っていましたが、私の場合は逆に消費しにくくなったように思います。もともと体力には自信があったからかもしれませんが、どちらかというと、その時だけ自分がスーパーマンになった気分が味わえて、楽しさや嬉しさ増幅した結果、やっていることが楽しくてしょうがなくなったので、体力が消耗していることがわからなかったのかもしれませんね。

そんなスーパーマンになれる超集中モード、これがゾーンです。

フロー(FLOW)ってなに?

ゾーンと同じようなものにフロー(FLOW)があります。心理学などではフローもゾーンも同じだとかも言われたりしているようですが、私は明確に違うものだと定義しています。はい、私が勝手に定義しているだけです。

このフローというものは、周囲の動作が関係ない状態で一人だけでできる作業レベルの超集中モードのことだと私は定義してます。言い換えると、自分だけで制御できることをしている時の超集中モードです。

フロー状態では時間経過さえ感じない

このフローを体験した多くの時は子供の頃で、一人でできる勉強やスポーツ、宿題の音楽などをしている時でした。あることに集中し始めると周りの雑音が消えて、自分の思考さえも自分自信では意識しなくなる状態になり、同じ作業レベルのことをずっと続けることができます。というかずっと続けてしまう状態になります。

はっと気づけば何時間も経っている。もうこんな時間かと、いそいそと帰る。そんな体験は良くしていました。ここがポイントです。そう、時間経過がわからなくなる。自分の思考から時間経過の概念が消えてしまうのです。フローとはそれくらい無駄な思考が排除された精神状態のことを指します。

ここがゾーンとは違う所です。ゾーンは周囲の動きが重要な要素でした。そしてそれは、時関経過を意識していることを表します。フローはその時関経過も意識しない状態になることと言えます。言い換えると、フローの方がゾーンより単純な思考レベルだということになります。動きを瞬時に捉えながら、自分の体を反応させるゾーンはより高度な作業レベルが必要です。

フローこそ人の成長にとって重要な精神状態

このフローの体験をした時にやっていた「こと」は後になってかなり上達していました。子供の頃の体験が多いのですが、単純なところでは、宿題のリコーダー。野球やドッヂボールでの壁当てを続けることで、同じところに投げ続けることができるコントロールが良くなり、勉強ではいい成績を取れるようになりました。

私はこの一人超集中モードのフローこそが、人の成長にとって一番重要な概念だと思っています。フローを何度体験したかによって、人の成長が測れるのではないかと。

フローに入る = 雑念が入らないくらい集中して特定の行動を繰り返す

洗練された行動・思考パターンを高精度で繰り返し行うことで、思考が必要なくても体が覚えている状態になれる。そして、それを繰り返し行ったり、色んなことでフローに入ることで人が成長していくのではないかと思います。

もちろん、雑念ありながら作業していても人は成長しますが、その差は時間経過と共に天と地ほどの差が出ます。雑念が入ると、それに思考が割かれるため精度の差は歴然です。それだけフローに入るか入らないかは重要なことです。

ゾーン状態を活用するためにもフローが重要

ゾーン状態になった時でも、自分の動作レベルが低いと体をうまく反応させることができません。結果、たとえゾーン状態になれたとしても思考が回るだけの状態が続くだけになります。要はゾーンを活用するためにはじぶん自身の動作を機敏にできるようにする必要があり、それを実現する方法として、フロー状態で作業を繰り返し実行することが重要だと言えます。

ゾーンとフローのまとめ

これは、あくまで私個人が定義しているゾーンとフローです。

  • ゾーン:自分が制御できないものの動きが関係する時の超集中モード
  • フロー:自分が制御できるものへの超集中モード

ゾーンは集団で行う作業やスポーツなどで発揮され、フローは個人で行う作業やスポーツで発揮されるもの。結果、自分で制御するだけなので、フローの方が入り易い。作業レベルではゾーンの方が高い。ゾーンを活用するためにはフローの積み重ねによる自己の鍛錬が必要。フローなしにゾーンは意味をなさない。ゾーンになりたいなら一人集中モードのフローに入ることから始めましょう。

ゾーン、フローへの入り方

ゾーン、フローへの入り方は人それぞれなので、とりあえず何かしらを5分間やってみてください。とりあえず行動することが大切です。自分がどの状態の時に集中できるかを、逆にできないのはなぜかを考えて、また5分やってみるというのを繰り返してください。そして調子が良ければ時間を長くしていきましょう。

やり方いろいろ言われていますが、自分という最高の被験者であり、実験道具があるのですから、それを有効活用するのが一番早いです。他人が提唱したやり方ではなく、自分自身を知って対応していきましょう。それでも分からなければ、他人のやり方を調べてみて、それを試してみる。それが知ったかで終わらないための知恵です。

よく考えれば子供の頃にはよく体験しましたが、大人になってあまり体験しなくなりました。子供の頃はやることはこれだけと、やれることの制限があるため簡単に超集中モードに入ることができました。一方、大人になってからは、様々な雑念が入り込む。仕事、人間関係、お金、etc。

今思えば、親に育ててもらっていて、不安を考える必要がない安心の中にいるからこそ、1つの物事に集中しやすくなるのだということがよくわかります。とはいえ、このフロー大人になってからも体験したいと思いながら、文章を書いているのですが、書きながら、少しフロー状態に近づいていることがわかります。

まだ雑音が聞こえていますので、今一歩ということころでしょうか。

 

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