春の高校選抜野球、21世紀枠だけを報道するメディアに疑問

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春の高校野球選抜が始まり、少しですがメディアも報道していますが、どれもこれも21世紀枠ばかりを報道しています。難関の予選を勝ち上がった高校野球児を報道するのではなく、特定の基準で選ばれた21世紀枠だけを報道するのはなぜでしょうか?

今の21世紀の選考基準は以下のようになっています。

21世紀枠選考基準から抜粋

21世紀枠で選ばれるためには秋季都道府県大会ベスト8以上、また参加128校以上の都道府県
はベスト16以上の成績を残していることが条件となる(2010年の候補校条件緩和により条件に
「原則」が付記された)この条件を満たした学校が以下の基準を元に推薦される。
1.他校の模範になる
2.困難条件の克服
3.予選で良い成績を残しているがなかなか甲子園に出場できない

上記3つの条件を見てもわかるように、条件が曖昧ですね。3の予選で良い成績を残しているのに・・・指標を作れば明確になるかもしれません。しかし、他の要件はかなり曖昧です。「他校の模範になる」の基準は野球部単体を見ているはずはなく、その高校自体を見ているはずですし。困難条件は高校自体なのか個人の問題なのか?選定する側はそれをどうやって知るのかも分かりません。

確かに、大震災を乗り越えて21世紀枠で出場した福島の高校はまだ分かります。でも、その他の高校を選考するにあたっては、明確な基準がないのと同じです。つまり、初めにどこの高校にするかを決めた上で、後付けで条件に当てはめることも可能になってしまいます。月日が経つと裏手で何かしらの権力が動くことになるでしょう。オリンピックのIOCやサッカーのFIFAと同じようなものになることは容易に想定できます。

ただ、選ばれる側の高校球児が悪いのではないので、応援するのはいいことです。でも純粋に地区大会を勝ち上がってきた人たちと比べて、その選考基準が緩いのはいいなめません。では、他に頑張っている球児がいるにもかかわらず、21世紀枠だけを報道するのはなぜでしょうか?

理由は2つ、メディアの怠慢と選抜開始の時期。1つめ目はメディアの怠慢です。怠慢といっても、仕方なしのところもあるかもしれません。過去に福島の高校をピックアップした時は話題性があったため、その流れを崩していないということ。普通の高校球児を追っても「ドラマ」になる映像を撮ることができない。一見、選考基準で解説されているため、苦労している内容がよく分かる21世紀枠の方がドラマになるということです。2つ目は、21世紀枠同士の戦いが2日目にあったから。これもメディアが好む内容ですね。21世紀枠同士の戦いなので、より記事にしやすいし、ちょうど選抜開幕時期に合わせた報道ができるということです。

そう考えると、メディアは自分の報道しやすい報道をしているだけだということがよくわかります。自ら足を動かして、ドラマを作るというのではなく、用意されたシナリオを少しだけアレンジして報道している。それが今のメディアです。

個人的には、読売テレビだか、読売ジャイアンツだか、ナベツネさんだかの影響か、野球ばかりを取り上げる日本のメディアが面白くないと思っています。野球やサッカーなどのスポーツはそろそろ置いておいて、芸術や科学、数学などのスペシャリストを取り上げて報道していただきたいなと思っています。数学オリンピックなんてやっていること自体も報道されない。日本の未来を真剣に考えるなら、日本の基盤となるこれらの力の源を真剣にドラマ立てて取り上げて多くの若者がそれを目指すようにする方が有益なことは確かでしょう。どこかのスポンサーがそれを後押ししてくれたらいいんですけどね。操作された視聴率だけを基準としている今のメディアに期待することはできるのかも疑問です。

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