
欅坂46『世界には愛しかない』の意味を考えてみた。愛は「愛」だけじゃない!
先日の二人セゾンに続き、欅坂46の「世界には愛しかない」の歌詞の意味を考えていきます。二人セゾンの時も思ったのですが、MVと歌詞の内容が完全にマッチするわけではないのが面白いです。別な視点で、MVの意味を考えるのも面白いのかもしれません。
読む前に歌詞を聞いて自分で考えてみてみてください。
あくまでこの歌詞から私が感じたメッセージを書いたものになります。本来の意味とは異なるかもしれません。それを理解した上で読み進めてください。ここで記載されている内容も言葉では表せていない部分もあるかもしれません。ご理解をお願いいたします。
歌詞は直接の意味と間接的な意味で成り立っている
言葉の意味するものは、そのままの言葉だけではなく、擬人化や比喩、場面を何かの例えとして表現していることが多いです。いい歌詞の中には、そのままの意味と間接的な意味の両方を兼ねて一つのメッセージを伝えているものあります。それを知った時には世界が広がる感じがして楽しくなります。
間接的なものを表現している言葉
この「世界は愛しかない」では、歌詞の言葉がが何を表しているかが重要になってきます。
世界、愛、歩道橋、青い空、君、入道雲、セミ、太陽、単純な感情、秘密、大人、嘘、風、夕立、アイデンティティ、雨、街、アスファルト、傘、走る、悲しみ、涙、色、虹、走る、信じる。
これらの単語や言葉は関連性のある言葉や別の意味を持つ言葉、重要な意思表示などになっています。これらの単語に注意して、再度聞いてみてください。1度聞いただけでわからない場合は、何度も聞いてみてください。すると何かしら頭の中で言葉が繋がってきます。
言葉を頭の中でイメージする
MVはMVです。歌詞とは異なります。それを前提として歌詞の世界を自分の頭の中で描いてみてください。そうすれば言葉の持つメッセージ性をよりよく理解することができます。なぜ歩道橋を駆け上がるのか、なぜ手を伸ばすのか?その先にあるもの、自分がつかみたいものはなんなのか?登場人物になって考えてみましょう。
自分で見つけることができると、すごく面白いです。
以下、私の考えを書いていきます。自分が気づいたことが正解だと思う場合は読まなくてもいいと思います。自分で感じたことや思ったことと比較していただいても面白いと思います。
解説開始
初めの叫びはサイレントマジョリティーの殻破り
サイレントマジョリティだった「僕」が、大人のレールの上を歩むだけの人生を拒否するため、自分の思いをさらけ出す。それが初めの叫び。
大人のレールに抗い自分の道を進むための第一歩を歩むのがこの歌。その中で大人の一方的な願いが応援に変わる過程を表現している歌。
「世界には愛しかない」という言葉の矛盾
世界とは広く、大きく、多種多様なものが存在しているイメージ。その中に愛しかないという限定。この言葉の組み合わせに不自然さが際立つ。そこで思ったのが、愛は愛だけではないと言うこと、そして世界は通常の世界というイメージだけでは足りないということ。
言葉からイメージとして広げていくと
- 世界 =地球、全世界、自分の世界、自分の人生。世界観。価値観、世の中。
- 愛 =愛、アイ、英語のI(私)、eye(目)など
歌詞からマッチしそうなものの組み合わせは、自分の人生を歩むのは私しかいないと言う言葉。自分の人生を歩むのは自分だと認識することの重要さをこの言葉が兼ねている。
ただ、それだけではなく、そのまま言葉通りのメッセージも込められている。世界には愛しかない。この愛は上で記載した内容以外のメッセージがまだ含まれているはず。
限定は、その価値が重要であることを示すためにも使われるため、愛の重要さを説いていると捉えることができる。
歩道橋と青空、そしてアスファルトの対比
歩道橋は誰でも登れる道。それだけでは青空には届かない。だけど、青空を見ることはできる。手を伸ばす先には夏の青空。自分が掴み取りたいもの。青空は広大。その広大な青空を遮るものが入道雲であり、太陽さえそれにひるむ。雲は雨を降らす。その雨がくるのを教えてくれるのが風であり、セミである。
青空は自分の可能性を指し、階段を駆け上がる程度の少しの努力でその可能性が大きいことを知る。それをさせないと大人たちが邪魔をする。大人が感情をあらわにして出す涙は雨となり、自分たち大人が作った(アスファルトの)道の上を歩めと口を出す(雨の音)。それが予測できる未来だからと。
大人に邪魔をされないために、「僕」は自分の思いを秘密にすることが多い。成長して大人になるにつれ、自分自身を嘘やごまかしで塗り固めていると、その秘密がなんだったのかわからなくなる。それは本当の自分がわからなくなるということ。それが今いる多くの「大人」だということ。
その大人が作った(アスファルトの)道の上は雲に遮られ、青空はない。自分の可能性を見えなくする。それに抗い、大人が作り出した街の中をかけていく。この雨は夕立であり、いつかは晴れるはずだから僕は走り続ける。そんな夕立も予測できない未来も自分を成長させるための糧となる。
自分の人生をどう歩むのかを決めるのは自分しかいない。自分の決めた道を歩むこと、それが自分自信を確立するための術である。
雨と涙、太陽と虹の関係
(大人や)僕自信が流した涙に太陽の光が照りつければ、それは光の色に輝く、それがやがて虹となり、君(自分の夢、未来の自分)と僕との架け橋となる。「君」は今の自分とか異なる存在、つまり未来の自分を指す。
自分の成長を助けてくれるものが太陽。自分の夢の手助けをしてくれる仲間。または、自分自身の気づきや夢への思いを指す。太陽(仲間や自分の思い)と雨(大人の思い)は虹(今の自分と未来の自分をつなぐもの)を生む。言い換えれば、雨(大人の思い)は太陽(自分の思い)と一緒になることで愛に変わる。
だから世界には愛しかない。大人も自分が夢見たことを思い出し、僕の未来の手助けをしてくれる。それを信じて自分は自分の未来に向かって今の自分に抗い続けるんだ。
愛とは?
愛=愛、私(I)、アイデンティティのアイ
僕が人生を歩むにあたって、必要なもの。それが愛である。
世界には愛しかない
メモ:単純な感情=「好き」と「嫌い」
喜怒哀楽より単純で、人が動く力になるもの
サイレントマジョリティ、二人セゾンの歌詞の意味も書いているのでよかったら読んでみてください。
欅坂46『サイレントマジョリティー』の歌詞の意味。カゴから出よう!
2017.11.19追記 サイレントマジョリティーからの続きという部分を追記。